金曜時評
道路つなぐ大切さ - 編集委員 松井 重宏
京奈和自動車道と西名阪自動車道をつなぐ県内初のジャンクションが完成、3月22日から供用を開始することが決まった。これでようやく県内にも複数の高規格幹線を接続した「道路網(ネットワーク)」が誕生する。
ただ課題は、このジャンクションが十字路ではなく、北向きを欠くT字路としてスタートするところにある。同ジャンクションから北へ、奈良市を縦貫する京奈和自動車道の大和北道路(延長約12・4キロ)は、まだ着工されておらず、改めて早期建設が強く求められる。
京奈和自動車道は、その名称が示すとおり、京都、奈良、和歌山の3府県を結ぶ延長約120キロの高規格幹線道路。近畿圏の外郭環状に位置付けられ、大阪府を中心とした放射線状のルートと併せて広域のネットワークを形成する。だからこそ「つながる」ことに大きな価値があるが、整備途中の現段階ではまだ「寸断個所」も多く残る。
このうち、今回は大和御所道路(延長約27・2キロ)の北端で郡山下ツ道ジャンクションが完成、御所市内の供用区間も拡大する。また、その先の五条道路(延長約7・9キロ)は暫定2車線ながら全区間が供用済みとなっており、両道路をつなぐトンネル部分も平成28年度の完成を目指して事業が進められている。
それだけに大和北道路の遅れが目立つ。景観や埋蔵文化財への影響を検討、平成18年には環境影響評価に進むルート案が選定されたが、大部分が地下構造となる北半分の区間は多額の事業費がネックとなり、いまだ事業化もされない状態だ。
一方、既に供用されている京都府側の京奈道路は、城陽インターで新名神高速道路との接続工事が始まった。事実上の建設凍結が解かれた同高速道路は平成35年度の全線開通が目指されており、ジャンクションでつながれば京奈道路を県方面に向かう利用者も大幅に増える。
奈良市付近では国道24号の渋滞が顕在化しており、将来のJR新駅構想も踏まえ、大和北道路の必要性は一段と高まっている。そんな中、建設促進を図るには有料道路化を視野に入れた合併施行方式による事業費の確保も検討する必要があるのではないか。
荒井正吾知事が「県の地方創生の要となる重要な社会インフラ」と位置づける京奈和自動車道。部分供用で投資効果を先取りするとともに、それをてこに次の課題の解決に弾みを付けたい。
ただ課題は、このジャンクションが十字路ではなく、北向きを欠くT字路としてスタートするところにある。同ジャンクションから北へ、奈良市を縦貫する京奈和自動車道の大和北道路(延長約12・4キロ)は、まだ着工されておらず、改めて早期建設が強く求められる。
京奈和自動車道は、その名称が示すとおり、京都、奈良、和歌山の3府県を結ぶ延長約120キロの高規格幹線道路。近畿圏の外郭環状に位置付けられ、大阪府を中心とした放射線状のルートと併せて広域のネットワークを形成する。だからこそ「つながる」ことに大きな価値があるが、整備途中の現段階ではまだ「寸断個所」も多く残る。
このうち、今回は大和御所道路(延長約27・2キロ)の北端で郡山下ツ道ジャンクションが完成、御所市内の供用区間も拡大する。また、その先の五条道路(延長約7・9キロ)は暫定2車線ながら全区間が供用済みとなっており、両道路をつなぐトンネル部分も平成28年度の完成を目指して事業が進められている。
それだけに大和北道路の遅れが目立つ。景観や埋蔵文化財への影響を検討、平成18年には環境影響評価に進むルート案が選定されたが、大部分が地下構造となる北半分の区間は多額の事業費がネックとなり、いまだ事業化もされない状態だ。
一方、既に供用されている京都府側の京奈道路は、城陽インターで新名神高速道路との接続工事が始まった。事実上の建設凍結が解かれた同高速道路は平成35年度の全線開通が目指されており、ジャンクションでつながれば京奈道路を県方面に向かう利用者も大幅に増える。
奈良市付近では国道24号の渋滞が顕在化しており、将来のJR新駅構想も踏まえ、大和北道路の必要性は一段と高まっている。そんな中、建設促進を図るには有料道路化を視野に入れた合併施行方式による事業費の確保も検討する必要があるのではないか。
荒井正吾知事が「県の地方創生の要となる重要な社会インフラ」と位置づける京奈和自動車道。部分供用で投資効果を先取りするとともに、それをてこに次の課題の解決に弾みを付けたい。