白いもちつき上げ 奈良県吉野町・金峯山寺蔵王堂で千本づき

奈良県吉野町吉野山の金峯山寺蔵王堂(五條良知管長)で10日、伝統行事の花供千本づきがあり、山伏と参拝者らが長いきねで白いもちをつき上げた。11~12日の花供会式で本尊に供え、両日ともにごくまきがある。
平安時代に同寺の僧が祈祷(きとう)でお后(きさき)の難病を治した礼に、各地から寄進を受けることを許されて、集まった米でもちをついて人々に施したのが千本づきの始まりという。
一つの臼を10人で囲み、伊勢音頭に合わせてきねをつき入れた。大阪市の50代夫妻は「もちつきは思ったより大変でした。今年は桜が素晴らしく、伝統行事にも参加できて楽しい」とにこやか。女性行者が護摩をたく女人採灯大護摩供もあった。
花供会式は本尊・蔵王権現にサクラの開花を告げる年中行事。11、12日の両日、大名行列と法要、採灯大護摩供がある。