自民、固い結束で勝利 佐藤さん決意「安倍元首相に伝える」 - 参院選2022
参議院議員選挙奈良県選挙区は改選1議席を争う通常選挙としては過去最多の6候補が立候補し、物価高対策や安全保障などを争点に論戦を繰り広げた。選挙期間中の8日には、奈良市で遊説中の安倍晋三元首相が銃撃され、死亡する事件が発生。各候補者は選挙日程の変更を余儀なくされるなど、異例の選挙戦となったが、自民党現職の佐藤啓さん(43)=公明推薦=が、日本維新の会の中川崇さん(36)、立憲民主党の猪奥美里さん(42)、共産党の北野伊津子さん(46)、参政党の中村麻美さん(43)、NHK党の冨田哲之さん(70)の新人5人を突き放し、再選を果たした。
自民党現職の佐藤啓さんが、他候補の追い上げをかわし、再選を果たした。8日、佐藤さんの応援演説中に安倍晋三元首相が銃撃され、死亡する事件が起きたことから当選のセレモニーは中止。当選確実の一報を受け、報道陣の取材に応じた佐藤さんは2期目への決意を述べるとともに「(11日の通夜に出席し)勝利の結果を安倍元総理に伝えたい」と語った。
佐藤さんは4月に「県や国を豊かにする仕事をしていく」と再選に向け、出馬を表明。経済産業大臣政務官として、コロナ禍で影響を受けた中小企業を支援する制度づくりに取り組んだ実績などをアピールするとともに、物価高対策や経済再生、毅(き)然とした外交と安全保障の実行などを訴えてきた。
選挙戦は県1~3区の党衆院議員を軸に地方議員や首長も加わり、組織戦を展開。推薦を受ける公明党とも連携し、支持基盤を着実に固めていった。選挙戦終盤の8日には、さらに票の上積みを図ろうと安倍元首相の来援を受けたが、応援演説中に凶弾に倒れた。
佐藤さんは当選の一報を受け、午後8時すぎに奈良市東九条町の選挙事務所に到着。選対幹部らに結果を報告した後、報道陣の取材に応じ、「関係者が心を一つにして勝ち抜くことができた。次の6年で選挙で約束した政策を前に進めていく。安倍元総理にご指導いただいた経験を生かし、国、国民のため全身全霊で働かせていただきたい」と決意を述べた。