1票上積みへ熱戦 初の週末、各陣営が奈良県内駆ける - 参院選2022
参院選は25、26日、公示後初となる週末を迎えた。梅雨空が晴れると、強い日差しが照りつける猛暑。各候補者は、噴き出す汗を拭いながら、有権者の支持を求めて奈良県内各地を精力的に走り回った。ようやくコロナ禍が落ち着き始め、人出が戻り始めた街頭に大物の来援が相次ぐなど、選挙ムードも徐々に高まりを見せてきており、1票の上積みを図る各陣営は大票田の奈良市に照準を当てた動きが強まった。
共産党新人の北野伊津子候補(46)は、地盤の大和郡山市などに続いて26日には奈良市で街頭宣伝。午後3時から、三条通商店街で支持者ら約50人と歩いて支持を訴える桃太郎作戦を展開した。
「今回の参院選は未来を選ぶ選挙。対話の力、政治の力を生かし、平和憲法を生かした戦争のない未来を選ぼう」と呼び掛け。物価高についても「原因はコロナ、ウクライナの問題だけでない。アベノミクスの異次元の金融緩和による異常円安が原因」として、「消費税を5%に減税し、賃金を上げる。社会保障の拡充、年金の底上げを行う」と訴えた。
参政党新人の中村麻美候補(48)は奈良市や生駒市、平群町、王寺町など県北西部を中心に街宣。1カ所ごとに演説に時間を割き、丁寧に党のPRや自身の政策など訴えた。
26日は午前8時半に奈良市の近鉄西大寺駅北口からスタート。「参政党は党員がゼロからつくり上げた手づくりの政党。急速に支持者を増やしている」とアピール。「今こそ国民が政治に本気で参加し、関心を持つべき。政治に無関心でいることは危機だ」として、教育や食の問題等訴えた。
立憲民主党新人の猪奥美里候補(42)は25日、奈良市内の主要駅駅頭を馬淵澄夫衆院議員らとスポット。「価格がどんどん上がり、選挙戦の最大の争点となっている。自民が物価高を声高に言い出したのは国会閉会後。あまりにも国民をないがしろにしている」と批判。「消費税の5%減税をし、皆さんの暮らしと命を守る」などと訴えた。
馬淵氏も「消費税減税、ガソリン税値下げ法案、新しい給付の仕組みを提示する。参院選は政権選択ではないが、猪奥候補を押し上げられれば、与党への大きな歯止めになる」と述べた。
日本維新の会新人の中川崇候補(36)は25日に香芝市や橿原市を巡り、26日は奈良市や生駒市の駅前や商業施設前でマイク宣伝。
26日午前は奈良市大森町で約70人が参加してミニ集会。前川清成衆院議員が「自民党を否定はしないが、自民だけでは駄目。もう一つの受け皿がいる」と述べ、中川候補は「岸田首相は『決断と実行』を言うが、決断も実行もしていない。電力ひっ迫も、原発再稼働でなく節電を言うだけだ。大阪では維新が大学まで教育の無償化を実現した。格差是正のために、国から変えていく」と訴えた。
自民党現職の佐藤啓候補(43)は、25日は奈良市の都祁地域を除く東部中山間の集落などで党市議らの後援会を軸に街宣。少子高齢化により、特に人口減が著しい同地域の声に耳を傾けるなどした。午後3時半には近鉄大和西大寺駅前で茂木敏充党幹事長と街頭演説。「電気代、食用油、小麦関係の食品など値上がりしている分野に補助金を投入し、物価高騰を抑制していく」と訴えた。
26日は上牧、広陵両町を遊説。広陵町エコールマミ、香芝市五位堂駅、王寺町王寺駅前では高市早苗党政調会長と街頭に立った。
NHK党新人の冨田哲之候補(70)は25、26の両日を居住地の名古屋で過ごした。27日以降、奈良での選挙活動の再開を検討している。