なら国際映画祭、森田理事長-コロナに立ち向かう(16)

奈良市出身の映画監督、河瀬直美さんがエグゼクティブディレクターを務める「なら国際映画祭」。コロナ禍でリアルの集客が難しい中、オンライン配信を取り入れ、参加者の裾野を広げている。
同映画祭は平成22年にスタート。映画祭は2年に1回、偶数年の9月に開かれ、昨年で6回目を迎えた。奇数年にはプレイベントが開かれ、今年から名称を「なら国際映画祭fоr Yоuth」に改めた。
映画祭では、世界の若手監督による作品を上映。その中から、最優秀賞「ゴールデンSHIKA賞」などを決めている。映画祭とプレイベント(fоr Yоuth)では、13~18歳のユース世代が映画作りを体験する「ユース映画制作ワークショップ」を開催。移動映画館「ならシネマテーク」も毎月、奈良市内で開かれている。
映画祭を主催するNPO法人なら国際映画祭(奈良市)の森田洋平理事長(41)によると、コロナ禍を受け、昨年の映画祭と今年9月のfоr Yоuth2021は、リアルとオンラインで開催。作品上映会は有料配信し、オープニングセレモニーは無料配信した。
リアルでの観客数は従来の半分程度に制限したが、オンラインでの視聴数が伸び、トータルの参加者数は例年を大きく上回ったという。
森田理事長は「臨場感はリアルの方が当然ある」としながらも、「オンラインはより多くの参加につながる」とメリットを指摘。コロナ収束後もオンライン配信を続けていく考えだ。fоr Yоuth2021では、ワクチン接種済証や検査の陰性証明があれば上映会の料金を割引するなど、今後のイベント開催の在り方を先行提示した。
ならシネマテークでもオンラインを活用し、会場に来られない監督にビデオ会議システムで登場してもらっている。
「今後も映画文化の裾野を広げるとともに、若手映画人の活躍の場を提供できれば」と森田理事長。来年はなら国際映画祭が開かれる予定だ。