アスカ美装、森脇社長-コロナに立ち向かう(15)

建物管理などを手掛ける「アスカ美装」(橿原市醍醐町)。森脇大統社長(42)は、コロナ禍の今を「ビジネスモデルの転換期」と捉え、「コンテンツ重視のサービス展開」の必要性を強調する。
スーパーや百貨店、ホテルなどの商業施設や私鉄駅構内の清掃業務を請け負う同社。コロナ禍となり、昨年は各施設が臨時休業になったり、電車の利用が減ったりして、業務量が減少した。
警備業務では、マラソン大会や運動会、祭りなどのイベント警備を担当しているが、特に昨年は大半のイベントが中止に。それに伴い業務もなくなった。森脇社長によると、昨年トータルの売り上げは「コロナ禍前の1割減」となった。
一方で、新型コロナワクチン接種会場の警備の仕事を新しく請け負うなどして、今年の売り上げはコロナ禍前の水準に戻っているという。
森脇社長は、人口減少やデジタル化、グローバル化が進む中、「これまでと同じことをやっていたら(企業は)生き残れない」と危機感を強める。コロナ禍前から企業にはビジネスモデルの転換が求められていたが、「コロナ禍でそれが一層明白になった」と指摘する。
同社としては、人とデジタル技術をうまく組み合わせて、効率的なサービス設計を進めていく考え。また、これまで重視されてきた人材育成や設備投資に加え、「コンテンツづくり」の重要性を強調。「コロナ禍でこれまでの当たり前が通用しなくなった今、新たな価値を創造することが求められている」と語り、今後の事業展開に備える。
森脇社長は「これからの企業経営では収益性だけでなく、公共性や公益性も重要になる」と言及。その上で、「豊かな地域をつくる一員として、今後も貢献していきたい」と力を込める。