1999年まで慣れ親しんだ「成人の日」…
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1999年まで慣れ親しんだ「成人の日」が、四半世紀もたつというのに、いまだに15日という意識が抜けないのはどうしたものか。
「小正月」とも呼ばれ、正月行事の締めくくりともされてきた。御所市茅原の吉祥草寺の「とんど」をはじめ、かつては若草山の山焼きもこの日だった。
大学入学共通テストの関係で、その山焼きも月末まで日延べされて、毎年、日にちが変わる。伝統行事が、現代人の都合で変えられていくのもどうなのだろう。
たまたま奈良市東部山間の田原の里で、先週、「とんど焼き」を体験した。四角に囲んだ柵の中に竹を立て、各戸から持参した正月の飾り物をその中に入れ点火した。
最初は煙だけだったが、勢いを増し炎となって燃え盛った。わずか十数戸のムラの毎年の行事といい、高齢化が進んで、「いつまで続けられるか」と話していた。
能登半島地震でもそうだが、こうした山間部の高齢化は深刻だ。消してはいけない伝統の灯を、どう守っていくのか。少子化問題と並行して、高齢者対策を考えるのが政治家の仕事でもある。(治)