ツクツクボウシのように複雑な鳴き声のセ…
ツクツクボウシのように複雑な鳴き声のセミは他にいないのだという。ジーというイントロがあってツクツク…ボーシと名前通りの主題が始まる。テンポを上げながら終楽章へ。
夏休みの終わりを告げるように鳴き出すイメージだが、実は7月から鳴いているのだという。ただ、他のにぎやかなセミの声にかき消されて耳に入ってこない。
9月が始まり、学校に子どもたちの声が戻ってきた。夏休みの自由研究はできただろうか。
セミは幼虫の7年間を地中で過ごすといわれ、地上の寿命は1週間ほど。地中生活の実際は分からないことも多いらしいが、幼稚園児がセミをつかまえたらセミの方が年上になる、と稲垣栄洋さんの著書「生き物の死にざま」にあった。
新たな発見や気づきもあったに違いない夏休み。野山に出かけ、「年上」のセミから教わったこともあるだろう。飛び立ち際のおしっこは、大量に接種した樹液の余り水なのだとか。
「研究」の成果や思い出を先生や友達と共有し、楽しい2学期の始まりに。話し終えたら、友達の話にもしっかり耳を傾けてほしい。 (増)