近年、奈良市内で新たなホテルの誕生が相…
近年、奈良市内で新たなホテルの誕生が相次ぐ。29日には奈良市の奈良公園・吉城園周辺地区に、森トラストの最高級ホテル「紫翠ラグジュアリーコレクションホテル奈良」が開業する。
同ホテルは大正期に建造された旧知事公舎を改装し活用。建築家の隈研吾氏の事務所が設計を担当し、外観や室内のしつらえなども生かした高級感あふれる造りとなっている。
社寺や文化財など観光資源に恵まれた本県だが、宿泊者数は全国最下位クラスに甘んじる。宿泊施設が京都や大阪と比べて質量ともに劣り、「奈良は日帰りで十分」とされてきた。
特に訪日外国人が急増するなか、富裕層の受け皿なる宿が少なかった。県主導で誘致に取り組み、「JWマリオット・ホテル奈良」などの高級ホテルが実現した。
今後も国重要文化財「旧奈良監獄」の建物を使った日本初の「監獄ホテル」など多数計画。ホテル業界も奈良観光のポテンシャルを評価する証左か。
ただ、コロナ禍の沈静化で中国団体旅行も解禁され、他地域との観光客誘致の勝負はこれから。官民一体で奈良の魅力発信が必要だ。 (法)