中学時代、初めてオーケストラの生演奏を…
中学時代、初めてオーケストラの生演奏を聴いた場所は県文化会館。温もりのある弦楽器の響き、管楽器の迫力に魅了され、以来ずっとクラシック音楽ファンである。
奈良公園隣接の立地、近代的な会館の建物に片田舎の中学生が感激したのは半世紀も前。会館は老朽化、耐震化のため4月から休館しリニューアル、令和8年度内のオープンを目指す。
整備の概要によると、国際ホールは1311席から約1100席となるものの、音響、快適性の向上を図るという。また音楽小ホール(約350席)を新設する。
国際ホールの収容人数は物足らないが、小ホ―ルとともに「音にこだわる」のは評価したい。県音楽文化の殿堂となってほしい。
以前、大阪市内の音楽ホール関係者から、「奈良県から来場される人が多い」と聞いた。県外就業率全国トップ級の奈良であるが、県外へ音楽を聴きに行く率も全国屈指ではないか。
県内はもちろん、県外からも多くの人々が詰めかけるホールに。音楽ファンを惹きつける企画が必要だ。専門のスタッフを準備するのに早すぎるということはない。 (栄)