きょう2月23日は「富士山の日」。30…
きょう2月23日は「富士山の日」。30年以上前の20代の夏に登ったことがあり、天候に恵まれ山頂からは「影富士」を見ることもできた。
だが帰路、登頂の高揚と砂走りを駆け降りる爽快さに酔い、登りで歩いたルートにつながる横断道の取り付きを見逃す失敗を犯した。少し登り返して事なきを得たが、見通しのきかぬ山なら大事に至った可能性もあった。
月刊誌「山と渓谷」3月号は、山での遭難を特集している。県民の記憶にも残る大峰山系での近年の二つの事例も、複数の要因とともに語られる。
特集では遭難の態様で道迷いが多数を占め、身近な低山で事案が増えている状況も紹介する。人影少ない低山愛好者には覚えがあろう。正しい道と錯覚させる箇所、判断を迷わす分岐が意外に多いことを。
楽しい山行から危険を遠ざけるには十分な準備と装備、自らの力量の把握、登山届などが不可欠なのは言うまでもない。他人の失敗に学び、対策を講じておくのも有意義なことだ。
アウトドアの趣味では油断すると痛い目を見ることがある。最悪の事態を招く場合もなくはない。(智)