お水取りが終わらないと大和には春がこな…
お水取りが終わらないと大和には春がこない、とはよく言ったもので、ここ数日の穏やかな天気と暖かさは、動けば汗ばむような陽気だ。
見渡せば野の花や農業用水のせせらぎも、思わず「春の小川」を口ずさみたくなる。明日は甲子園で、春を呼ぶセンバツ高校野球も開幕する。
来週には、東京あたりで桜の開花宣言が出されるといい、列島を桜前線が駆け巡る。そして卒業式や入学準備など春の行事が目白押しだ。正月と違った晴れやかな季節だ。
2年余にわたって苦しめてきた新型コロナウイルスも、感染者数が減少傾向にあることから、各県で出されていた適用中の「まん延防止等重点措置」も解除の方向という。
コロナで暗い日々を過ごしてきたし、雪国の皆さんは豪雪に苦しめられた。それだけに、春の到来がこんなに待ち遠しかったことはないだろう。
自然や周囲が春の準備を進めているというのに、浮かれた気分になれないのは、ロシア軍によるウクライナ侵攻にある。空爆による市民の犠牲者のことを聞けば、この怒りをどこにぶつけたらよいかと思う。(治)