奈良県知事選、維新は山下元生駒市長公認へ 「荒井県政を転換」 - 統一地方選
日本維新の会奈良県総支部は21日午前、役員会を開き、任期満了に伴う知事選(3月23日告示、4月9日投開票)で、元生駒市長の山下真氏(54)を党公認候補として擁立することを決めた。23日に党本部に上申する。党公認が承認され、山下氏の知事選出馬が決まれば、2015年以来2度目となる。知事選には、新人で元総務省官僚の平木省氏(48)と、5選を目指す現職荒井正吾氏(78)が既に出馬を表明しているほか、共産党も人選を急いでいる。
維新県総支部は、公職選挙法違反(事前運動など)で18日に罰金30万円の有罪判決を受けた前川清成衆院議員(60)=近畿比例=が同日付で代表を辞任。トップ不在の中、森本尚順幹事長ら6人が知事選対応を協議した。山下氏も同席し、同氏の擁立について出席者から異論は出なかったという。
森本幹事長は奈良新聞の取材に「山下氏は(生駒市長時代に)身を切る改革を進め、首長の退職金ゼロなど政策的にも維新に合致している」と理由を語った。また山下氏は「荒井県政の継続を阻止したいと考え、立候補を決意した。平木氏も荒井氏のプロジェクトを引き継ぐ立場で、県政の転換はできないと判断した」と説明。「県政を改革し、大阪や京都レベルの行政サービスを提供できる県にしたいという思いは、8年前よりさらに強くなっている。大阪府政で改革の成果を出している維新とは目指す方向性が共通しており、党の支援を得て近隣府県と連携し、奈良を変えていきたい」とコメントした。
今回の知事選では、自民党が「対維新」を鮮明にし、「勝てる候補」として党県連(会長=高市早苗・経済安全保障担当大臣)が平木氏の推薦を決定。現在党本部に申請している。過去、自民の支援を受け、今回も推薦を申請していた荒井氏は、県連が平木氏の推薦を決めた後も「奈良をもっと良くする夢をかなえたいと出馬を決めた。気持ちに変わりはない」と立候補の意思を示している。
保守分裂となる中、知名度のある山下氏が参戦すれば、激しい競り合いが予想される。
山下氏は東京大学文学部、京都大学法学部卒。朝日新聞記者を経て弁護士。2006年2月から生駒市長を3期務めた。15年の知事選では荒井氏と直接対決し、約5万5千票差で敗れた。