【動画あり】奈良・大宇陀から新しい競技が発足 - 第0回全日本棍棒飛ばし選手権大会開催
こん棒を使って、2チーム間で攻守を交代しながらチームの合計得点を競う「棍棒(こんぼう)飛ばし選手権大会」がこのほど、宇陀市大宇陀の大宇陀健民グラウンドで開催されました。大雨が降りしきる中、4チームが参加して熱戦が繰り広げられました。
原始時代から武器として使われてきたこん棒。いったいどんな競技なのでしょうか。
雨が降りしきる中で開催された棍棒飛ばし選手権大会
同大会は、全日本棍棒協会(東祥平会長)主催による初めての大会です。大会で使用されたこん棒は、長さや重さ、樹種(木の種類)もさまざま。持ち手の部分をなたで削り、研磨用工具のグラインダーなどを使って仕上げています。公式ルールでは、自作こん棒での大会出場が望ましいとしています。
今大会で使用されていたこん棒の一部
攻撃側チームは、殴打用のこん棒「殴打棒」を使って、飛ばすためのこん棒「被打棒」を殴り飛ばし、守備側は撃墜棒で飛んできた被打棒を打ち返します。被打棒がコート内のどの得点範囲に静止したかによって採点され、チームの合計得点を競います。
手に持ったこん棒を大きく振りかぶって飛び上がりながら殴り飛ばす選手も
会長の東さんは、農林業に興味を持って大阪から宇陀市大宇陀に移住。最初は、農作業などに使うために作っていたこん棒ですが、今年2月に、大阪市内で「大棍棒展」を開催したところ、およそ100本のこん棒が売れるほどの人気ぶりとなったそうです。
なぜ競技にしたのかを聞くと、「こん棒を持つと殴ってみたくなるので、丸太を叩いたりしていたけれど、それだけではおもしろくなくて。そんな中で“飛ばしたらおもしろいかも”と気づいて、そこから攻守を取り入れるなどしてルール化していきました」と東さん。この日も大宇陀神殴仏s(おおうだかみなぐりぶっつ)チームの主将兼選手として出場し、大会を盛り上げていました。
試合では、殴打者はできるだけ遠くに殴り飛ばそうと、大きくこん棒を振りかぶって、こん棒めがけて降り下ろします。こん棒が、大きな弧を描きながら飛んでいくと、撃墜者は飛距離をできるだけ阻止しようと、こん棒を使ってはじき返します。中には、はじき返すではなく、落ちてくるこん棒をキャッチしようと向かっていく勇敢な選手もありました。
より遠くに飛ばすためには、力だけでなくフォームも大切。なかなか難しいようで、練習を重ねてきた選手でも、空振りや後ろへ飛んでしまう場面もありました。
さらにこの日は大雨…撃墜者らは、泥だらけになりながらも、懸命に飛んできたこん棒をはじき返していました。
飛んできた被打棒を打ち返そうとする選手
記念すべき第0大会は、大宇陀神殴仏sが優勝。東さんは「地域の皆さんの理解と協力をいただき、無事開催できました。チームを増やして全国大会や世界大会などを開催して、こん棒競技を広げていけたらおもしろいと思っています」と話していました。
全日本棍棒協会会長の東祥平さん
全国棍棒協会
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