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寅のお寺 信貴山朝護孫子寺 - 第1回 本尊毘沙門天と寅

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2022年は36年に一度の五黄の寅

36年に一度の周期でこのふたつが重なる五黄の寅年は、非常に強い運勢を持つといわれています。

 

「五黄の寅(ごおうのとら)」は十二支と古代中国の民間信仰である九星(きゅうせい)を組み合わせたもので、九星の「五黄土星(ごおうどせい)」と十二支の「寅年」が重なることをいいます。

 

五黄土星は、「すべての中央に位置し影響力をもたらすパワーを持つ」星。

干支の寅は、「強い正義感や決断力、実行力や行動力、生命力」を象徴します。

 

 

そこで奈良県で寅にゆかりのある信貴山を訪ねました。寅に由来した知られざる金運スポットなどを巡ります。2月は「寅の月」となり、26、27日には「信貴山寅まつり」も行われます。五黄の寅年に参拝して御利益をいただいてみてはいかがでしょうか。記者が訪れて驚いたのは、毘沙門天の非常に力強いエネルギーを感じたことです。

頼もしい力強さをぜひ体感してみてください。

 

 

 

 

 

本尊の毘沙門天

 この世に存在する悪魔を退散させて、あらゆる願いを叶えてやろうという誓いをたてて、私たちをお護りくださっています。右手に宝棒(ほうぼう)と呼ばれる武器、左手に仏舎利(ぶっしゃり)が納められた入れ物の宝塔(ほうとう)を持っています。宝棒で邪鬼を追い払い、心あるものには金銭財宝を意のままに授けて商売繁盛させてやるという思し召し、宝塔でこの中に充満する福を信ずるもの願いに任せて授けると言われています。さらに足で邪鬼を踏みつけています。

本尊の毘沙門天

 

 仏像の種類には位があって上から「如来」「菩薩」「明王」「天」 の4つに分けられます。位の高い如来さまが、悟りの境地にいらっしゃるのに対し、毘沙門天は4つ目の「天」にあたります。私たち人間に一番近いところで、「頑張ろう!見捨てないよ!」と力強く心を保つお姿を見せてくださっています。しかし、いくら福徳豊かな毘沙門天でも、私たちの心がけが悪ければ救うことはできません。心がけに大切な掟(おきて)を経典に説いたものが「五種の心」です。

 

 

一つには、父母孝養のため(親孝行、自分を大切にする)

二つには、功徳善根のため(一日一善、善い行いをする)

三つには、国土豊饒のため(地域や社会を大切にする)

四つには、一切衆生のため(世界の平和を祈る)

五つには、無上菩提のため(最上の“気づき”を得る )

 

 

ーー5つ目 の「無上菩提のため」が少し難しいですね。

 信貴山真言宗総本山朝護孫子寺の法務主任・松井介澄さんに教えていただきました。

 

松井さん「4つの行いを心がけてしていると、今まで見えなかったものが見えてきたりします。小さなことでも感謝できたり、自分にも感謝することができたりします。お釈迦様の教えでは、生きていることは苦しみの連続で、そこから解放されるには日々の心がけが大切だと説いています」

 

 

ーーそしてこのお寺の至る所に見られる寅!寅!寅!どうして寅にゆかりがあるお寺となったのでしょうか。

 

松井さん「信貴山には、聖徳太子が仏教を広め、優しい政治を実現しようと戦勝をお祈りをしていたところ、その心に答えた毘沙門天が現れたという伝説が残っています。白髪の仙人のような老人の姿で毘沙門天が現れたのが、寅年、寅の日、寅の刻(明け方3時~5時)でした。必勝の秘法を授かった太子は願いを果たし、戦いに勝利します。いじめられっ子の少年が、仙人に教えを請い修行していじめっ子に打ち勝った映画『ベストキッド』のような展開です(笑)太子は自ら毘沙門天王像を刻み、この山を信ずべき貴ぶべき山とし守護本尊として祭ります。 そこで寅に御利益がある、寅にゆかりのある寺と言い伝えられてきました」

僧侶の松井介澄さん

 

「ベスト・キッド」のような展開で戦いに勝利した聖徳太子。 必勝祈願は寅年、寅の日、寅の刻に行うとより御利益がありそうですね。

 

 

 

信貴山 朝護孫子寺

奈良県生駒郡平群町信貴山

 

=第2話へつづく=

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