ステンドグラスで生活に彩りと豊かさを ビッグハウス新石切工房主宰・大家伸介さん
さまざまな色彩のガラスを金属でつなぎ合わせ絵画のように仕上げるステンドグラス。作家の大家勝さん(73)がスタートした創作ステンドグラス工房「ビッグハウス」=生駒市門前町=は、自然あふれる環境の生駒の地に工房を置き20年超、オリジナル作品の創作活動や、一般向けの教室を続けてきた。2006年には生駒市に隣接する東大阪市にも工房を開設。今回、その新石切工房=東大阪市西石切町=主宰でステンドグラス講師の大家伸介さん(48)から話を聞いた。
自然とガラスに魅(み)せられて、作家の道に
伸介さんが得意とし作品に取り入れるのは、異なるガラスを電気窯で溶着するフュージング技法。従来のランプやステンドグラスのような半田溶接や金属を介さず、ガラスのみで奥行きのある表現ができる。高温でガラスの流れる模様を生み出したり、立体的な作品を1枚のガラスにして制作することができたりと、熱を駆使することで幅広い表現が叶う。
青が印象的な伸介さんの作品(ビッグハウス提供)
自然あふれる中に構えられた生駒工房での制作の様子=同
ステンドグラスの魅力は「やはり光を通した時の美しさ。子どもの頃はほとんど興味がなかったものの、気がつけばガラスに魅せられ20代半ばから作品を作るようになっていた」と大家さん。ステンドグラスと銅を組み合わせた幾何学的なフォルムと美しい青が持ち味で、モダンなアート作品を中心に手掛ける。赤色を好んで使い有機的な線を作品に取り入れる父・勝さんとは対照的に見えるが、ガラスで気持ちを豊かに、という気持ちは同じだ。生駒と新石切、どちらの工房でも多彩な作品作りができる。
日々に小さな癒(い)やしや感動を提供したい
「窓際にサンキャッチャーを飾る、たまには照明を消してステンドグラスのキャンドルホルダーを使いロウソクに火を灯す、フュージングのガラス皿でちょっとしたデザートを食べるなど、素敵な気持ちになれるガラス作品は沢山ある」。伸介さんも、近頃ではランプや窓用のパネルなど大きな作品のほか、普段の生活により取り入れやすい小ぶりのオーナメントやオブジェ、アクセサリーなどの作品にも力を入れる。教室開講や工房見学、キャンドルスタンド制作の一日体験、イベントでのワークショップ体験会などにも積極的だ。来年1月にはビッグハウスの各工房で作品販売会を開催する。
「これからも見る喜び、作る喜びを伝えられるよう活動していく。ステンドグラスで小さないやしや感動を与えられたらうれしい」。大家さんの出展や作品情報はSNSで発信している。
鹿をモチーフに取り入れたビッグハウスのステンドグラス作品は、6日から「ならリビング」のWEBショップ内「奈良の鹿MONOシリーズ」でも購入できる。商品の購入や問い合わせは、https://shop.naraliving.com/c/shika 内の各商品ページから可能。
ビッグハウス・大家伸介さんの作品紹介
2022年の日工会展で入選した伸介さんの作品=同
屋外アートイベントでの出展作品=同
フュージングの技法を使ったオブジェ作品=同
クリアのテクスチャーガラスを使ったランプ=同
2021年奈良県美術展覧会で県展賞を受賞した伸介さんの作品=同
窓際や玄関にもさりげなく置ける、鹿のミニパネル作品=同
<番外編>生駒工房・大家勝さん作の、手乗りサイズのミニ鹿オブジェ。ほのぼのした表情と姿が魅力=同
各工房情報
創作ステンドグラス工房 ビッグハウス
【新石切工房】
9:30-16:30
大阪府東大阪市西石切町1-4-57 杉浦ビル1階 ※P有り(有料)
072-988-5696
大家伸介さんinstagram≫≫ https://www.instagram.com/oyashinsuke/
【生駒工房】
10:30-16:00
奈良県生駒市門前町6-10 ※P有り(無料)
0743-75-8656
http://big-house.jp
ビッグハウスinstagram≫≫ https://www.instagram.com/stainedglass.bighouse/