フォトコンテストを兼ねたポストカード展始まる　ならまちの「PHOTO GARDEN」で来月17日まで

　ポストカードを通じて全国各地の風景や奈良の鹿の魅力を紹介する展示会が19日、奈良市高畑町のカメラ雑貨店「PHOTO GARDEN」1階のメインギャラリーで始まった。会期は来月17日まで。入場無料。

ポストカード展へ向けた設営の様子=18日、奈良市高畑町のPHOTO GARDEN

10年目のポストカード展、応募は過去最多

　「ポストカード展2024」は一般部門と鹿部門に分けプロアマ問わず作品を募集。それぞれが写真面と宛名面に工夫を凝らしポストカードの形に仕上げた状態で応募する。全国のカメラ愛好家らが撮影した四季折々の風景や鹿などの写真は、いずれもはがきサイズに納められ、今年は過去最多の計65点(一般部門45点、鹿部門20点)が並んだ。

　展示期間中、来場者はさまざまな作品を楽しむと同時に各部門で気に入った作品(鹿1点、一般2点)に投票可能。部門ごとに最も得票数が多い作品をグランプリとし、受賞者は同店で一年間ポストカードを販売できる特典がある。来場者の声にこたえ会期中のポストカード販売も行う。今年の販売は48作品で、価格は一律132円(税込)。

展示のポストカードは見るだけでなく購入も可能(同)

　店主の辻益子さんが「狭いスペースでも多くの方が盛り上がる公募展を」と考え、写真をメインとしたポストカードの展示会を2015年にスタート。毎年開催し今回で10回目、9年間営業した東向北商店街内から今年3月に高畑エリアへ店舗移転してからは初となる。

会場のPHOTO GARDEN(同店提供)

気軽に飾れて送れて、思い膨らむ　小さなポストカードが持つ魅力

　「毎年たくさんのポストカードが並ぶこの季節を楽しみに来てくださるお客様も。私自身もとても学ぶところが多い作品展」と話す辻さん。

　恒例となった同展だが第1回の開催時は特に部門を設けておらず、鹿のポストカードばかりに人気が集中し、鹿以外の題材の作品にスポットが当たりづらくなってしまう結果に。そのため翌年からは鹿部門と一般部門を分けての募集を続けてきた。

昨年のポストカード展開催時の様子＝2023年10月、移転前の東向北商店街の店舗(同)

昨年両部門でグランプリとなったHaru*さんの鹿部門作品(同)

昨年両部門でグランプリとなったHaru*さんの一般部門作品(同)

　出展者は、素敵な写真というだけでなく、ポストカードとしてふさわしいかどうか、PHOTO GARDENに来店する人の心をつかめるかどうかなど、さまざまなことを考え作品を仕上げてくる。辻さんは「送った先の方にどんな気持ちになってもらいたいか想像を膨らませることができるのは、ポストカード作品ならではの大きな魅力。世界でここだけの鹿部門に加え、一般部門も力作ぞろいの展覧会。ぜひ投票も参加して楽しんでいただければ」と話している。

　投票結果は、会期後の11月20日頃に同店WEBサイトと公式instagramで発表する。

　時間は午前10時から午後6時(最終日は同5時まで)。会期中、祝日を除く月曜と22日、11月5・12日は休館。問い合わせは同店、電話0742(31)2281。

PHOTO GARDENについて

　2013年3月に「もちいどの夢CUBE」(奈良市餅飯殿町)で開店、その後「東向北商店街」で9年間営業。今年3月、かねてから思い描いていた「写真を通して人が繋がり、皆が寄り集まれる場」を求め、ならまち界隈の中でも文芸の町として知られる高畑エリアに移転。

　新店舗はスペースにも余裕があり、目的に合わせギャラリーやレンタルスペース、暗室、庭も利用可能。写真家や店主の辻さんが講師を務める写真教室も開催している。ポストカード展の会期中も、通常の営業時と変わらず、カメラ雑貨やポストカード、写真関連グッズ等の販売を行う。

　11月10日まで写真家masa*さんのテーブルフォト写真展「Brocante」を開催中。最終日にはテーブルフォトのワークショップも行う。