鹿と人との共生テーマに 奈良女子高校の学生が訪日客にPR - 「奈良公園推し活プロジェクト」
訪日観光客に人気の「奈良のシカ」。エサを求めておじぎするシカの仕草が愛らしいと、評判のようだ。そのシカと人との共生をテーマにSDGsに取り組むのは、奈良市三条宮前町の私立奈良女子高校(石原勉校長)の1年生たちだ。「奈良のシカはかわいいだけじゃない」と問題点も含め、奈良公園の魅力を発信する「奈良公園推し活プロジェクト」に取り組んでいる。
訪日観光客に奈良公園の魅力をPRする奈良女子高校生たち=18日、奈良市登大路町の奈良公園
授業にSDGs科目設定
同校では全学年の学びに探究学習を取り入れ、持続可能な社会づくりへの視点と、社会参画への意識を育てている。総合進学コースでは学校設定教科に、SDGsの科目を設定し、座学だけではなくSDGsを達成するための行動を重視している。
座学から実践へ
今回、シカと人との共生をテーマに、奈良公園の生態系や保護施設のシカと奈良公園のシカとの違いなど、歴史や理科の視点から考察した。調査結果を奈良公園の魅力として訪日観光客に伝えようと、10月18日、生徒たちは奈良公園でPR活動。
訪日観光客に奈良公園の魅力をPRする奈良女子高校生たち=同
タブレットを片手に英語で話しかけ、芝刈りをしない奈良公園の芝生が美しいのは、シカが芝を食べてだした糞をコガネムシが分解し再び芝が生える循環ができていること、シカがゴミを食べたり交通事故で死亡しないために人のモラルが大切であること、長い歴史の中で人々がシカとどのように向き合ってきたのかを紹介。シカの形にした折り紙をプレゼントした。
折り紙でシカを作る=奈良女子高校提供
フランスから訪れたケビン・ジカロさんは「勉強になった」と笑顔。同校1年の藤原奏さん(16)は「奈良のシカとSDGsとの関連が分かった。海外の人がフレンドリーで楽しかった」と話し、身近な問題意識と行動の大切さを感じていた。
奈良キャラ紹介 #04
ならジェシカ NARA Jessica
(奈良女子高校提供)
礼儀正しい&頑張り屋さん度 ★★★★★
生徒からの愛され度 ★★★★★
※2023.10.29 奈良新聞「奈良の鹿ニュース」調べ
※奈良新聞独自の指標です
同校のマスコットキャラクター「ならジェシカ」は、制服を着た愛らしいシカの姿。2014年に全校生徒から奈良女子高校ゆるキャラデザインを募集して誕生!夢は奈良女子高校の教師になること。同校パティシエールコースのお菓子と校内食堂のランチが大好き。
「学校イベントで見かけたら、声をかけてね!」(ならジェシカ)