老舗から誕生・国際色豊かな東大寺門前カフェ「Cafe CОNCE」
東大寺参道沿いの中でも最古参のみやげ店「鹿屋」(奈良市春日野町、山本昌史代表)。同店2階のカフェ「Cafe CОNCE(コンセ)」(奈良市春日野町)は、コロナ禍の後、復活しつつある外国人観光客の多様な食へのニーズに寄り添う独自路線を追求。海外からの観光客らの貴重なオアシスとなっている。
左に見える1階が「鹿屋」、2階が「Cafe CONCE」。山小屋風の外観となっている=奈良市春日野町のCafe CONCEにて
奈良だからこそ「和」を打ち出さないカフェに
オープンは昨年11月。店名は、江戸から明治まで代々藍染屋(紺屋)を営んでいたころの屋号「紺清(こんせい)」が由来。愛称として皆から呼ばれていた「こんせ」の音をCONCEと表し、現代に復活させた。
注文や支払いはこちらのカウンターで=同
ショーケースに並ぶ惣菜やサンドイッチ=同
ショーケースには手作りのデリ風総菜や、大きなサンドイッチ、季節のケーキが日替わりで並ぶ。「国籍・年代問わず、幅広い人にくつろいでもらえる店を目指した」(山本代表)という同店では、国際色豊かな客層や、食に制約のある人にも安心して利用してもらえるよう、使用食材をわかりやすく掲示した。
同店は東大寺南大門のそばで、奈良観光や東大寺参拝のために世界中から観光客が訪れる立地にある。山本さん自身の海外経験がきっかけで「奈良でも自身の国の味が恋しくなる人や、宗教上の理由で食を満喫できず、リラックスして観光できない人も多いはず」と考えて業態の構想を練った。
惣菜やサラダには奈良の食材も。マヨネーズやドレッシングはこだわりの自家製=Cafe CONCE提供
食材がわかりやすく表示された料理が並ぶ=同提供
宗教上の制約から豚肉を除いた「ハラールフレンドリー」食や肉類を使わないベジタリアン食なども提供。現在は海外からの利用者が8割を占め、訪日観光客目線のもてなしがSNSや口コミで評判を呼んでいる。
店長の宇田綾夏さんは「周辺の喧噪(けんそう)から一旦離れリラックスできるという声が多い。食事メインでゆっくり過ごす方も、コーヒー一杯でサッと元気を取り戻して次の観光に向かう方も、各々のスタイルに合わせうまく利用されている。一度の奈良滞在で何度もリピートし常連になってくださる方も。これからもリクエストに寄り添えるカフェにしたい」と話している。
秋の新メニューや、定番の人気メニューを紹介!
◆カスタードアップルパイ (950円)
この秋の新作ケーキ。パイの中にはゴロゴロしたリンゴがたっぷり。シナモンパウダーをまとったアイスクリームと一緒に。
◆洋梨タルト (800円)
開業当時から人気のデザートが、秋になり復活。タルト生地と洋梨の相性が抜群。
「カスタードアップルパイ」(中)と「洋梨タルト」(右)=同提供
◆抹茶ラテ (ice/hot・850円)
濃厚で甘みのある抹茶を使用。飲んだ後にも抹茶の香りがふわりと残る。
◆抹茶プリン (900円)
濃厚な抹茶と、優しい甘みのホイップクリームの組み合わせがぴったり。
「抹茶ラテ」(右奥がhot)と「抹茶プリン」(手前)=同提供
◆オニオンチキンカレー(1500円)
玉ねぎと鶏肉をしっかり煮込んだ優しい甘口カレー。小さな日替わりサラダもついてくる。
「オニオンチキンカレー」=同提供
◆ワンプレートランチ(2000円)
定番のワンプレートランチ(午前11時〜)は、ピラフやパスタの「ベース」を1品と、「メイン」の総菜を3品選び、自分好みの一皿に仕上げることができる。ベジタリアン対応食も豊富。単品でのテイクアウトも可能。
その日並ぶメニューからチョイスする「ワンプレートランチ」=同提供
「ワンプレートランチ」はテイクアウトも可能=Cafe CONCEにて
エスプレッソに泡立てた温かなミルクを加えて仕上げる「カプチーノ」(写真はS・700円)=同
イタリア製のマシンで淹(い)れるエスプレッソ(300円〜)をはじめとしたコーヒーもこだわりの一つ。「欧米からの観光客も、馴染みの味でホッと一息つけるように」との心配りからだ。乳製品が苦手な人は、海外では一般的な植物由来のオーツミルクや豆乳も選べる。
鹿をゆっくりと眺められる席も
店内には、大きなテーブル席(1卓・14席)、窓側のローソファ(4卓・8席)、丸太風のベンチ(4本)、石壁と窓に面したテーブル席(8卓・16席)の計50席が。バリエーションに富んだ席は、一人でもグループでも、思い思いに過ごしやすい。
窓側の席は東大寺への参道に面しており、行き交う鹿や、観光客でにぎわう様子を眺めながら食事を楽しむことができる。
天井が高く開放的な空間にはテーブル、ソファ、ベンチなど計50席が=同
広々した店内。落ち着いて過ごせるローソファの席(左)も=同
飲食利用者はWi-Fiも利用可能。電源もあるテーブル席は、観光客にも重宝される=同
奥まった窓側の席からは参道が見おろせる=同
店内から見る、奈良公園の鹿の姿=同
営業時間は午前10時から午後5時半(5時ラストオーダー)。火曜定休。最新情報は同店インスタグラムやWEBサイトhttps://cafeconce.jp/に掲載。問い合わせは、電話0742(22)3181。
※価格はすべて税込み/店内飲食・テイクアウトも同一価格
※記載のメニューや表示価格は取材時(2023年10月)のもの
店舗情報
<店舗名>
Cafe CONCE カフェコンセ
<住所>
奈良市春日野町23 2F
<営業時間>
10:00-17:30(L.O.17:00)
<定休日>
火曜
<駐車場有無>
なし
<電話>
<公式instagram>