元板前が「いい塩梅」追求した絶品塩ラーメン!「しおや一心」のうまさに迫る - 奈良ラーメン探検隊がゆく
ラーメンを愛する奈良新聞社員で結成した「奈良ラーメン探検隊」。今回は、弊社ラーメン通のK氏が「塩ラーメンなら県内屈指」とおススメする橿原市曲川町6丁目の塩ラーメンの名店「しおや一心」を訪問しました。元板前の店主が塩の旨味にこだわり、「一杯食べ終わった時にちょうどよい塩加減」を極めたシンプルで奥深い味わいを提供しています。(報告、奈良ラーメン探検隊・隊員T)
黄金スープと細麺が相性抜群
店の看板メニュー「黄金スープの塩らーめん」830円(すべて税込み)を注文。ネギ油や干しエビで香り付けした塩を、鶏ガラと野菜をゆっくり煮だした清湯(ちんたん)スープに溶かし、ストレート細麺と絡めたスープは透き通る黄金色。三つ葉の緑や卵の黄身が映え、見た目もとても美しいです。
黄金スープとツルっとした口当たりの細麺の相性は抜群。一口すすると最後に回しかけた昆布とカツオ節の出汁の香りが鼻を抜け、食べ進むほどに、出汁と鶏ガラスープと合わさり味わいも変化します。シャキシャキの白髪ネギや香味ネギがあっさりスープを引き立て、食感や味の変化で最後まで飽きさせません。じっくり火入れした厚切り豚バラチャーシューは、箸で持つだけで崩れる柔らかさです。
テーブルに常備するのは、塩ラーメンのスープに爽やかさを増す奈良大和高原産「柚子ごしょう」と、コクと旨味を増す自家製の「オニガリフライ」。両方ベストマッチの味わい。ぜひお好みの味変を探していただきたいです。
塩ラーメンに込めた思い
店主の横山士郎さん(59)はもともと、割烹や仕出し屋で腕をふるった元板前。「お吸い物みたいにあっさりとおいしいラーメンができたら」と塩ラーメンを考えたそう。
「塩ラーメンはすごく繊細。塩の旨味を出すのが難しい」。それでも塩にこだわったのは、腕に自信があればこそ。無限に塩を試し、国産、フランス産など現在の配合に行き着いたそうです。
2013年4月に開店後もスープの取り方など工夫を重ね、若者向けにペペロンチーノ風の「ペペ塩らーめん」930円(店主お気に入り)や「カルボナーらーめん」800円、柚子、ゴマ、大葉が香る締めの爆弾おにぎり200円を考案した。
「ラーメンは料理」との思いで調理場に立つ横山さん。懐石のように味や食感の変化を意識し、すべて食べた時に美味しかったと感じてもらいたいと、丼一杯に丹精を込めている。今後の展望を伺うと「平和に暮らし食べれたら…。これからもおいしい塩ラーメンで勝負していきたい」と人懐こい笑顔を見せてくれました。
後日談
取材の3日後、小学2年の息子と再訪。同店には「鶏塩らーめん」という鶏の旨味を凝縮したラーメンもあり、息子は「今まで食べた中で一番おいしい!」と大満足の様子(今回で一番目のラーメンは3つになったそうです)。澄んだ清湯スープに香ばしく焼いた鶏皮がコクと旨味、食欲をそそる香りをプラスし、塩ラーメンとはまた違ったおいしさ。麺を全粒粉麺に変えてみると、粒々の食感やモチモチ感が個人的に好みでした。
再訪時に居合わせた「月1度は食べたくなる」という五條市在住の常連の男性は、黄金スープの塩らーめんにバターをトッピング。残ったスープに爆弾おにぎりを投入し、オニガリフライを合わせて和洋折衷のおじやに。常連さんのオーダーは学びが多いです。
この他、濃厚えび塩らーめんにも熱烈なファンがいるとか。同店はイオンモール橿原店からほど近く、イオンを訪れる機会などに立ち寄り、さまざまなメニューやトッピングを試してみたいなと思いました。
店舗情報
<店舗名>
しおや一心
<住所>
奈良県橿原市曲川町6丁目6の11
<営業時間>
午前11時30分~午後2時
午後6時~午後9時30分(ラストオーダー)
※スープが無くなり次第終了
<定休日>
水曜日(臨時休業あり)
<駐車場有無>
あり。3台ほど
<電話>
<公式SNS>
訪問メモ
【支払方法】
現金、PayPay
【店舗メモ】
●カウンター3席、テーブル8席
●全席禁煙
奈良ラーメン探検隊
【隊長T】
中和エリア担当記者。小学2年生の息子は最近、大人サイズに挑戦しはじめました。割と残すので親は気を使います。