夏目前!奈良の『麺食堂88』店主のこだわりが詰まった特製つけそばをレポート - 奈良ラーメン探検隊がゆく
6月上旬に訪れたのは、天理市蔵之庄町にある「麺食堂88」さん。
この大きな看板が目印のラーメン屋さんです。高井病院の目の前にあるラーメン店と言えば、心当たりのある方もいるのではないでしょうか。もともと川西町結崎にあったお店ですが、こちらの天理市蔵之庄へ移ってこられて4年が経ち、そして今年は、開店10周年というアニバーサリーイヤーを迎えられます。
今回は毎月インスタントのアレンジラーメンで給料日まで生き長らえる隊長Nが食レポします。ちなみに、最近のお気に入りアレンジラーメンは塩味の袋ラーメンで作るチーズ入り焼きラーメンです。
今年10周年を迎える中華そばの人気ラーメン店
平日の営業終了後、15時過ぎにお邪魔しました。営業時間はランチタイムの11時〜15時(ラストオーダー)まで、夜営業はしていないお店です。土日は県外からのお客さん、平日は地元や近隣の方が訪れます。以前訪れた時も、開店時間に着いて並んだ思い出があります。
店内から窓の外を覗くと、長閑な田畑が広がり、遠くに連なる山々と目の前の田んぼが「奈良っぽさ」を感じさせます。店内はパーソナルスペースを広く取ったカウンター席が10席並び、待ち用の椅子も準備されています。夏の暑い中、屋外で待たずに済むのはありがたいです。先に食券を購入するスタイルで、食券機の隣に両替機も設置されており、安心して利用できます。こうした心配りから、居心地の良さを感じます。お水はセルフサービスで提供されています。
お店の方は全員「麺食堂88」とプリントされたTシャツを着用。店主も店員さんも明るく親切に迎えてくれます。女性一人でも入りやすく、駐車場も目の前にあり、14台停めることができます。
ラーメン探検隊だけど「つけそば」をオーダー
麺食堂88さんは中華そばでも人気のラーメン店です。しかし、夏が近づくこの季節、熱々のラーメンよりも「つけ麺」を取材してみたくて、今回は「特製つけそば」をオーダーしました。
通常のつけそばは税込850円、特製つけそばは税込1200円です。特製つけそばには、トッピングにチャーシュー3枚と味玉1個がついてくるので、ボリューム満点です。
特製つけそばを実食!
つやのあるとてもきれいな麺。お箸を入れるのが申し訳なくなるほど、丁寧に盛り付けられています。茹でた麺をしっかり水で洗い、冷たい水で冷やした後、丁寧に整えられた麺は美しい光沢を放っています。 ほんのりと小麦の香りが立ち上り、食欲をそそります。
メニュー表の裏に書いてある「つけそばの美味しい食べ方」を見ながらいただきます。
一口すすれば、まず感じるのは麺の滑らかな食感。冷たくしめられた麺が、口の中で心地よい歯ごたえを感じさせます。つけだれに麺を3分の2ほどつけて一気にすするのが美味しい食べ方だそうです。
私は麺を全部つけだれに沈めて食べてしまう癖があるので気を付けながらお箸を進めました。
つけだれにつけた麺を口に入れると、最初に感じるのは麺の小麦の風味、次に煮干しの香りが広がります。そして最後にくるのは、酸味です。この酸味が、良いアクセントになっています。食べ進めていくうちに、後味が塩味だと飽き飽きしてしまうのですが、酸味が最後にくることで飽きずに食べ進めることができます。酸味を使うことで麺の風味も引き立っています。
麺食堂88さんのスープは鶏と魚のダシを使ったWスープです。メニューによってその割合が異なります。つけそばの場合は、魚(煮干し)のほうが使っている割合が多いです。
つけだれの中には角切りチャーシューがいくつも入っていて柔らかくてとてもジューシーです。淡路島産の玉ねぎも辛みがなく甘くてとても食べやすいです。
さらに、特製つけそばのトッピングのチャーシューはつけだれの中のチャーシューとは違っていて、満足感がアップします。
麺は中太で、お店の奥の部屋で作られる自家製麺です。
つけそばの麺の硬さはオーダーできません。中華そばをオーダーしても同様です。その理由は、店主こだわりのコシを提供したいからです。「(麺の)外側は柔らかく、中心部で押し返すのがコシ」と店主の高田さんはおっしゃいます。文章だけだと想像しづらいですが、実際に食べてみるとそのコシの良さがわかります。
つけそばを食べ終えると、つけだれに割りスープを入れて飲む事ができます。割りスープを加えると、先ほどまでの酸味が薄くなり煮干しダシの香りが強まり、とても口当たりの良いスープへと変貌します。これがまた美味しくて、最後の一滴まで楽しむことができます。
麺食堂88さんの中華そば
「ラーメン探検隊なのにラーメンを紹介しないなんて」と思われるかもしれないので、ちゃんとご紹介します。
こちらが麺食堂88さんの中華そば(塩)です。先程いただいたつけそばは煮干しダシの割合が多いのですが、中華そばのスープは鶏ダシのほうを多く使っています。鶏も、雅チックファームの大和肉鶏と鹿児島の「第3の黒」黒さつまというブランド鶏を使用した、店主こだわりのスープダシです。
メニューにあった気になる麺
麺食堂88さんの人気メニューを聞いてみると、特にどれが人気というのは無いのだそうです。お客さんはどのメニューも満遍なく注文されます。
メニューをみていて気になった「ジャンクそば」についても聞いてみました。麺食堂88のジャンクそばは、丼の底にあるタレと麺や具材をかき混ぜて食べるまぜそばです。
こちらにもゴロゴロと角切りチャーシューが入っており、とっても美味しそう。胃袋が二つあればいただけたのに、すごく残念。濃い味を楽しみたい方にお勧めの一品です。
ジャンクそばのお写真はお店の方からご提供いただきました。
また、今回はつけそばを取り上げましたが、まもなく「ざる中華」の提供も開始されます。どんな味なのか、こちらも楽しみです。
店主の高田さんは今後も「味の追求は続けていく」とおっしゃられます。ラーメン店を開店した理由は、ラーメンを食べるのが好きだったから、とのこと。今も美味しいラーメンを求めて研究を重ねておられます。日頃から自分の納得のいくラーメンを追い求める姿に胸を打たれました。
(文・写真 奈良ラーメン探検隊隊員N)
訪問メモ
【注文方法】
食券購入
【支払方法】
現金のみ(両替機あり)
【メニュー】
つけそば 850円、など
【ラーメンメモ】
●スープ=あっさり
●ベース=鶏と魚のWスープ、メニューにより比率は異なる
●麺=中太麺
【店舗メモ】
●女性の入りやすさ ○
●座席数 10席(カウンター席)
奈良ラーメン探検隊
- 【奈良ラーメン探検隊の記事】
- 第1回 奈良富雄の「ラーメン家みつ葉」
- 第2回 近鉄奈良駅の「鶏next」
- 第3回 奈良市大宮町の「梅光軒」
- 第4回 磯城郡田原本町の「暁製麺」
- 第5回 天理市の「麺食堂88」
【隊員N】
ウェブ制作担当。ラーメン好きのあまり、奈良のラーメンを紹介する企画を社長に直訴したところ、隊長に任命される。