開催中のパリ五輪・柔道女子で、東京五輪金メダリストの阿部詩選手が連覇を逃した。試合後に会場で大号泣。話題となり、賛否両論でにぎわした。

　個人的には「かわいらしい」と思った。苦言も出たが、まあ仕方がないかな。女の子の行動として、このシーンを見た。兄の一二三選手が連覇し、ほっとした。

　兄妹といえば、原作の漫画がテレビ・劇場でもアニメ化されて人気の『鬼滅の刃』。兄は主人公・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)、妹は禰豆子(ねずこ)。

　炭治郎たちが戦う「鬼」の側にも、妓夫太郎(ぎゅうたろう)と堕姫(だき)という兄妹が登場する。涙腺に触れる、兄妹愛の上手な描き方をしていると思う。

　大昔の『古事記』の世界では、「サホヒコ」と「サホヒメ」という兄妹がいた。サホヒメは垂仁天皇の妻だが、反逆した兄に従って、兄妹ともに死んでしまう。

　姉弟例もある。『古事記』の「アマテラス」と「スサノオ」。『魏志倭人伝』の女王・卑弥呼(ヒミコ)と「男弟」。阿部兄妹の話題からそれてしまった。だが、大事な何かが透けて見えてこないか。(北)