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能登地震から6カ月半 情報共有し防災へ - 編集委員 辻 恵介

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 1月1日の「能登半島地震」から6カ月半が過ぎた。「もう、そんなにたったのか」と、時の流れの早さに驚く。石川県内の地震による死者は、7月23日現在で災害関連死を含めて318人となり、2016年の熊本地震の犠牲者数276人を上回った。

 

 また、7月23日時点の同県の避難者は1550人。学校などの1次避難所には今も721人が身を寄せていて、ホテル・旅館などの2次避難所は805人という。

 

 水道の復旧工事は、なかなか進まず、このことが被災地の復旧の遅れにつながった。水道というインフラの重要性を再認識した。一方、道路の損壊が激しかったことも、復旧作業の大きな障害となったことは、報道で何度も繰り返された。「緊急消防援助隊」として被災地で活動した奈良など19都府県の大隊のうち、11県の大隊で重機が使用されなかったという。せっかく現地まで運ばれながら、使いたくても使えなかった隊員の無念さは、いかばかりか。

 

 奈良市は2月9日、「被災地派遣の職員アンケート(中間報告)」を発表した。会見の中で仲川市長は、活動する上で荷下ろしのフォークリフトの運転などの免許取得者や専門職員の確保▽機動力が期待できる四輪駆動の軽自動車の装備▽インターネット環境が遮断された場合の避難所への伝達方法―など多くの課題を示した。

 

 併せて、消防署における災害時用のガソリンと軽油の備蓄タンクの整備、緊急車両の給油を万全にしておくことなどに言及した。

 

 避難所では、災害時にペットと飼い主が同じ建物の屋内で避難できる「専用避難所」の開設も問題化しつつある。今回も飼い主が避難所への避難をためらい、住まいやその周辺でペットと共に過ごすことを優先する事態が生じた。こうしたことへの配慮も必要だ。

 

 一方、応急対策職員派遣制度に基づき被災自治体に派遣された市町村職員らの振り返り会議が24日、五條市役所で開かれ、9市町村計約20人が意見交換などを通して防災意識を高めた。振り返り会議は初めての試みで、同地震の災害応急対応で内閣府が先月とりまとめた点検レポートや、派遣された県内市町村職員アンケートの結果を確認したという。

 

 こうした貴重な体験や総括を、県内の全市町村や防災に関係する組織が、情報を共有し、防災計画に着実に生かしていくことが大切だ。そしてまた、万一に備えた意識改革も県民に求められている。

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