5日に奈良県内で初めて猛暑日(35度以…
5日に奈良県内で初めて猛暑日(35度以上)を観測するなど、まだ梅雨も明け切らないのに連日、厳しい暑さが続く。この時期、個人的にお勧めしたい大和伝統工芸品が「奈良団扇(うちわ)」だ。
鹿や正倉院宝物など奈良らしい文様の透かし彫りが施されているのが特徴。見た目も美しく、インテリアにしても部屋が映える。
しかし、奈良団扇の最大の魅力は、その実用性の高さだ。軽量かつ丈夫で、一般的なうちわより骨組みに倍以上の骨数があるため良くしねる。
筆者も先日、購入してみたが、持ち手の竹も手になじみ実にあおぎやすい。奈良団扇が起こす風に、すっかり魅入られてしまった。
奈良団扇専門店「池田含香堂」(奈良市)のホームページによると、その歴史は古く、奈良時代に春日大社の神官が作った「禰宜(ねぎ)うちわ」が起源。時を重ねるごとに洗練され、江戸時代中ごろに現在の形になったという。奈良の1300年の歴史に培われてきた工芸品といえる。
通常のうちわよりも値段は高めだが、それだけの価値はある。土産物としても喜ばれるだろう。(法)