派手な宣伝で一世を風靡(ふうび)した角…
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派手な宣伝で一世を風靡(ふうび)した角川映画だったので敬遠していたが、最近見る機会があり感銘を受けた。「復活の日」(深作欣二監督、1980年)である。
小松左京のSF小説が原作。映画のストーリーはこうだ。細菌兵器として開発された新型ウイルスが事故により世界中に拡散して人類は滅亡の危機に。
ウイルスに感染しない超低温の南極大陸のみわずかな人々が生き残るが、大きな地震によって米国の核兵器システムが作動、報復のためソ連の核も発射されてしまう。
新型コロナウイルス拡散初期の世界のパンデミックを予言しているようなウイルスの恐怖。また、現在の世界情勢を鑑みると核戦争もありえるのではと思わせる。
興行収入以上に製作費と宣伝費がかかり、映画としては赤字。しかし、初の35ミリカメラでの南極ロケや、チリ海軍の潜水艦をレンタルした撮影など見所も多い。
身から出たさび(細菌兵器と核)により原始時代からやり直すことになった人類の「復活の日」。まあ、一から出直して「復活」してほしいのは世の中に数多いだろうが。(栄)