農林水産省のWebマガジンに、「昭和か…
農林水産省のWebマガジンに、「昭和から令和まで、年代別にみる学校給食の変遷」と題した特集があった。4年前の6月号だが、興味深く読んだ。
1889(明治22)年、山形県鶴岡町の寺にあった私立小学校で、困窮家庭の子どもたちに昼食を無償で提供したのが学校給食の始まりという。必要な費用や米は寺の僧侶が托鉢(たくはつ)で集めた。
それから135年。公立小学校の給食費の平均月額は4688円(文部科学省2023年度調査)だが、全国の小中学校で無償化の動きが進んでいる。
ただ、食材費の高騰もあって無償化は自治体にとって大きな負担。学校給食の栄養量が小学校で文科省の基準を下回る奈良市では、財政調整基金への積み立てから1億円を食材調達に回すよう、市議会から要望も出た。
無償化はさておき、未来を担う子どもたちに満足のいく給食を提供するのは、行政にとって1丁目1番地ともいえる課題。
「政治とカネ」の問題で釈明に追われ、国民生活とかけ離れた金銭感覚が浮き彫りになった政治家にも考えてほしいテーマだ。(増)