金曜時評

高市県連への注文 県議会の一本化 - 主筆 甘利 治夫

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 安倍晋三元首相の銃撃事件に伴う旧統一教会問題で、発足してわずか1年の岸田内閣の支持率低下が止まらない。あと半年後に迫った統一地方選の行方を左右しかねない状況だ。

 

 その自民党の県連新会長に高市早苗・経済安全保障担当大臣が就任し、新役員も決まった。

 

 主要役員の5役はいずれも県議で、幹事長に井岡正徳氏、組織広報委員長に乾浩之氏、総務会長に小泉米造氏、政調会長に池田慎久氏、選対委員長に中野雅史氏が就いた。刷新といっていい。

 

 国会議員である会長は中央で活躍してもらうため、県議を中心に県連が運営されてきた。ところがご承知のように、県議会の自民党は、「自由民主党」9人、「自民党連合・創生」9人、「自民党倭」6人の3会派に分かれており、その弊害に党員、支持者から批判されてきた。

 

 自民党は個性的な幅広い人材の集団だけに、主義主張が異なる場合もあるが、それが強みともいえる。党内論議を尽くして、決まったことは一致して行動する。そんな政党であるはずが、好き嫌いの感情が全面に出て、県議会の会派分裂になっている。これでは県連組織がまとまらない。

 

 議長選で繰り返されてきた、中央では野党である会派と組んで、最大会派の自民党を排除してきたりした。また党推薦候補のいる首長選で、推薦は名ばかりで対立候補を支援する役員がいるなど、露骨な姿を見てきた。

 

 主要役員を排除され続けてきた最大会派の自民党から、今回5役のうち3人が入った。高市会長の思いがどこにあるか。それだけに自民党会派の井岡幹事長への責任は大きいというる。

 

 同派は自民党本流を自認しながら、長い間「ほされてきた」という意識が強い。だから今度はその逆を行くというのでは、同じことになる。

 

 高市新会長のもとで、まずは会派の一本化を目指すべきだ。派閥的な意見の違いがあってもいいから、そこは懐の深い大政党らしくまとまるべきだ。そのためにも5役の皆さんが、知恵を出しどう汗を流すか。要職に就いたのは、そういう意味だ。

 

 昨年の自民党総裁選に出馬した高市氏の演説、行動を見ていて、県初の総理、総裁誕生へと期待も高まった。党政調会長として、今また大臣として、テレビの討論番組や、全国遊説に忙しい。だからこそ、高市氏に県議会組織の一本化を期待したい。

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